とうとう我が家にも新型コロナの感染が広がってしまいました。下の子が保育園で発熱して帰宅してから、わたしの両親も含めてひとりずつ順番にダウンしていきました。聞いていた通りの感染力でした。5類移行後、対応も緩やかになってきたところでの感染でしたので、避けようがありませんでした。どれだけ気をつけて生活をしていても、子どもが小さなうちは仕方がないのかもしれませんね。ひとまず、自宅で静養していなければならなかった期間は、教会役員の皆さんの協力により、無事に礼拝の準備をすることができました。5月28日の礼拝当日も、教会役員の方による司式と説教代読で礼拝を無事に終えることができました。頼りになる教会の皆さんがいてくださりとても助かりました。回復のために祈りに覚えてくださり、ありがとうございました。しばらく倦怠感と咳が続きましたが、この原稿を書いている段階では随分と回復しました。
先月号の「牧師室より」で、ペーパードライバー卒業目指して頑張っていることを書きましたが、今月は運転の機会が増えました。というのも、妻がおよそ1週間、米国で開催されるナザレン教会の世界総会出席のため不在だからです。この原稿を書いている頃が、会場のインディアナポリスへ向かっている時期です。妻は世界NYI(青年会)が出すブースの内装デザインに携わったため、当日のボランティアスタッフとしても参加するようです。私も今回、通訳で声がかかったのですが、両親ともに役割がある状態での子連れ参加は、さすがに子どもたちにとってもわたしたち夫婦にとっても大変だろうと考え、断念しました。ナザレン教会で牧師をしている以上、いずれ参加の機会があるでしょうから、日本に残り育児と家事に時間を割くことに決めました。世間では今のわたしの状態を「ワンオペ育児」と呼びますが、こどもたちも大きくなってきて自分のことは自分で出来るようになってきたので、随分と心に余裕をもって過ごすことが出来ています。いざとなったら近くに両親や教会のみなさんがいるのも大きな心の支えです。また、妻が不在時の日曜日の礼拝は石田学先生にお願いできたことも大きいです。前任の牧師がお隣に住んでいるのは、とてもありがたいことです。普段はスキマ時間に行っている今後の礼拝予定の検討や神学校の授業準備をすることに時間を割くことが出来そうです。担当している信徒説教者養成講座では、これまで時間をかけて取り組む機会がほとんどなかったヨブ記や箴言を取り扱う時期が迫っているので、このタイミングでそれらに取り組むまとまった時間を得ることが出来て本当に良かったです。時間があると思っているとあっという間に時が流れていくので、気を引き締めて頑張りたいと思います。
ところで、4月からふたりの留学生が礼拝に集ってくださっています。日本語を専門に学んでいるふたりなので、わたしも英語ではなく、日本語で話すように心がけています。週報に掲載している説教要旨は新しい単語や表現を知る上でとても勉強になるらしく、色々書き込みをしながら説教を聞いてくださっています。とても一生懸命に日本語学習に取り組んでいるふたりを見て、フィリピンで過ごしていた頃を思い出しました。わたしたち家族が出席していた教会は、週報のような配布物はない教会でしたので、耳で聞く情報やスクリーンに映される情報が頼りでした。礼拝中、話のトピックを探るのがとても大変でした。自分自身のこのような経験や、教会には日本語以外の言語を第一言語とする方々がたびたび訪れてくださることもあって、日本語を第一言語としない方々の礼拝出席への対応方法についてずっと考えてきました。先日、礼拝後の雑談の中で話が膨らんだことがきっかけとなって、具体的な対応が始まりました。プログラミングに詳しい教会の方の力を得て、週報の内容の自動翻訳の提供を先月から始めてみました。英語、中国語、ウルドゥ語、ポルトガル語などで週報を読むことができます。わたしたちの教会は日本語で礼拝をしていますが、他の言語を使う方々が礼拝に参加する助けとなったら良いなと願っています。言語の違いがあっても、同じ神の民として一緒に礼拝をする時間を持つことは大きな理想です。現代の技術がその助けとなることは、わたしたちにとってとても嬉しいことですね。
悲しいことに、この原稿を書いている前日に、改正入管法が成立してしまいました。人の生命を守り、共生を目指していくこととは真逆の道を行こうとするこの国の政治に対して嘆きが絶えません。フィリピンにいたころ、わたしも家族もビザの取得や更新に手間取り、大変な思いをしました。不寛容な役所の方々の態度に悲しくなりました。日本で難民申請をする多くの方々がそれ以上の想像も絶する辛い経験をしていると思うと、胸が苦しくなります。この国において、守られるべき生命が保護され、人権が保障されることは、わたしたちが心から祈り求めるべきこの地における平和だと強く感じる土曜の夜です。
2023年6月10日、小山教会付属館の牧師室にて。
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