2月5日は神学校の卒業論文発表会に出席しました。3月に卒業予定の方はお
ひとりなので、今回の発表はひとつのみ。ヘブライ人への手紙についての発表
でした。わたしも10年前に取り組んだ書簡でしたので、当時自分が書いた論文
を引っ張り出して読み返しました。今の自分が読むと突っ込みどころが多くて恥
ずかしくなるのですが、当時自分がやりたかったことと今の自分の関心事の違
いがわかって面白かったです。
卒論発表会の日は午後から雪が降り、小山市内も雪が積もりました。卒論発
表会がオンラインのみでの開催でしたので、午後から予定していた関東地区の
牧師研修会はオンラインでの出席にしました。今回の牧師研修会の講演者は石
田学先生でしたので、できれば会場へ行きたかったのですが...。研修会が終わ
る頃には外の景色は真っ白!これ以上積もったら車の運転が不安なので、急
いで下の子の保育園のお迎えへ行きました。結果的にオンラインでの参加と
なって良かったです。やはり子育て世代の自分にとって、オンラインという選択
肢は本当にありがたいです。ただ、神学校関係の牧師たちを除くと、他の牧師た
ちと雑談をする機会が減ってしまった気がするのが寂しいです。
雪が降った翌週は、最高気温が一気に上がり、日中は春のような気候の日が
続いています。もう少し続くかと思っていた冬があっという間に終わってしまい
そうで、気候変動の現実が本当に恐ろしいです。今年も春が来たかと思えば、
一瞬で春が過ぎ去り、長い夏が訪れるのでしょうか。
この「牧師室より」が掲載された月報がみなさんの手元に届く時期は、教会暦
では罪を悔い改め、洗礼の準備をする四旬節(レント)に入った時期です。レント
の始まりの日は、「灰の水曜日」と呼ばれる日で、今年は2月14日です。カトリッ
ク教会や聖公会の教会、また一部のプロテスタント教会では、この日に灰の水
曜日の礼拝をおこなっています。礼拝の中では、「あなたはちりだから、ちりに帰
らなければならない」と、創世記3:19の言葉に基づいた言葉を告げられなが
ら、出席者の額には灰で十字が描かれます。生きていく中でさまざまなものを
身に着け、手に入れていくわたしたちですが、本来はちりから造られた無力で無
価値な存在に過ぎないことを突きつけられる厳しい言葉です。けれども、神がち
りに過ぎないわたしたちに目を留めて、価値を見出してくださっています。その
意味で、灰の水曜日にもたれる礼拝は、四旬節の始まりを告げるだけでなく、謙
遜さと神への感謝を思い起こさせる印象的な式です。もし小山教会でも是非
行ってみたいという声があれば、今後検討してみますね。
灰の水曜日の礼拝には、色々な場所での思い出があります。というのも、これ
まで所属してきた教会でも、牧会をした教会でも、灰の水曜日の礼拝をおこ
なっていなかったからです。はじめてこの礼拝を経験したのは、神学生の時に
都内の聖公会の教会で。その後は、オーストラリアのナザレン教会と、フィリピン
のナザレン神学院のキャンパス内にある礼拝堂で経験しました。数えてみると
たった3回の経験ですが、どの礼拝ももう決して同じメンバーで集まることはで
きないものでしたので、とても印象に残っています。神学生のときやフィリピンで
は、当時一緒に学んでいた方たちが一緒でしたし、オーストラリアでは韓国のナ
ザレン大学の方たちがいました。そのような思い出があるため、灰の水曜日とい
う日は、わたしにとっては世界中のキリストを信じる信仰者たちとのつながりを
思い起こさせてくれる日でもあります。
昨年4月からはじまった神学校での授業は、この原稿を書いている時点では
残り1回を残すのみになりました。無事に1年間の授業を終えることができそうで
よかったです。来年度は担当する科目数が増えるので頑張ります。個人的に楽
しみなのは、旧約聖書をヘブライ語で読むクラスです。来年度は、昨年の秋に小
山教会で取り組んだルツ記を読みたいと思っていますので。神学生の方や参加
してくださる牧師たち(がいたら良いな...)と一緒に、じっくりとこの物語を味わ
いたいです。きっと更に新しい発見もあるでしょうから、いつかまた新しい発見
を盛り込んで、ルツ記2周目を礼拝の中で読んでみたいです。
ところで、2月11日の礼拝から週報のデザインを変更しました。週報のメール
配信、YouTubeの動画説明欄での礼拝プログラム掲載、ポッドキャストの説明
欄での説教要旨掲載、週報の自動翻訳など、週報から情報をコピー・ペースト
する機会が割とあります。その作業をできる限り簡略化する必要を感じたから
です。せっかくデザインを変えるので、礼拝に出席する方々がより使いやすいも
のを目指して作ってみました。識字のしやすい、ユニバーサル・デザインのフォン
トを使っています。みなさんにとって使いやすいものであると良いのですが。
2024年 2月 13日、小山教会付属館の牧師室にて。
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